kunsun’s diary

~日々、小さな愉しみをさがして~

太王四神記~転生というロマン

転生というロマン

 はるか昔、私は王族の娘だった。そう信じられたら、少しは誇り高く生きられる気がする。これは勝手な妄想だが、私は生まれ変わりの話が好きだ。デジャヴー既視感の感覚も好きだ。それはただの気のせいかもしれない。以前にテレビや雑誌で見た風景だったかもしれない。だが遠い昔、自分がそこにいて、今とは違う顔で生きていたと信じられれば、なんだか楽しい。一番好きな生まれ変わりの話は、その世で結ばれなかった二人が次の世でめぐり逢い、また恋に落ちる類の話。まったく現実的でないだけに憧れる。

 このドラマには、そんな憧れが詰まっているからハマってしまう。主人公と二人の美女の恋愛のみならず、もうひとつ、時を超えた青龍の恋が描かれている。神話時代、青龍は美しいセオをいつも空から見ていた。セオの生まれ変わりがスジニ。青龍の生まれ変わりは関彌城主チョロ。青龍は人間との恋の成就など初めから考えていないのだろう。生まれ変わり出会った後も、ただただ愛しい人を見つめ、守るだけだ。人間に生まれ変わった青龍は、ロン毛のイケメンで恋だって成就しそうなものだが、ひたすら見守っている。そんな姿に、前世から続く想いの美しさを見て、ますますこのドラマが好きになる。

 魂が、長い長い旅をしている。穏やかな人生も、苦難に満ちた人生もあったかもしれない。とても短い人生もあったかもしれない。そして今この時を生きている。無性に心惹かれるものは、何かしら前世に関係のあったものだと占い師さんが教えてくれた。前世について何も証明できないので、それは妄想にすぎないとも言えるが、その妄想が心の支えになるかもしれない。楽しい気持ちにさせてくれるかもしれない。とにかく私は信じたい。魂が生まれ変わり、誰かを求め、何かを求め、巡り合うロマンを。

ーつづくー