kunsun’s diary

~日々、小さな愉しみをさがして~

太王四神記~天より遣わされた王タムドク

天より遣わされた王タムドク

 この物語の主人公は太子タムドク、扮するはヨン様ことぺ・ヨンジュン氏。チラ見したその凛々しいお姿に惹かれ、ストーリーも知らないままドラマを見始めた。

 ベースとなる神話時代に神の子であったファヌンが、預言のとおり2000年の後に生まれかわり、かつてファヌンが創った広大なチュシン国の王として高句麗を取り巻く国々をも治めていくというストーリーだ。

 この王は歴史上実在の王で、高句麗史上最も領土を拡大し「広開土王」と呼ばれているらしい。韓国の歴史を学んでいないので、実際にこの人物のストーリーが韓国でどのように語り継がれているのか気になるところだが、王となり領土を拡大していくあたりは史実として残っているようだ。実在の王の話だけに「城の場所が違う」など地理的な間違いを指摘する声等々あるらしいが、他民族なので、単純にドラマとして楽しませていただこうと思う。

 神の子の転生であり、かつてのチュシン国再建のために天から遣わされた王にふさわしく、主人公タムドクは文武に優れ、人徳があり、品があって容姿端麗である。このドラマの監督は、ただ強い王ではなく、優しさとカリスマ性で人々の心を掌握した王を描きたかったそうで、この役はヨン様以外に考えられなかったそうだ。その期待通り、この役はヨン様のはまり役と絶賛されている。私が一目で心を奪われた第六感は、やはり正しかった。

 王が生まれると預言された日、タムドクとほとんど時を同じくして、従兄弟ホゲが誕生する。そのホゲを王にしようとする一派の陰謀などで、ドラマの前半はかなりヤキモキさせられるのだが、後半、臨時の王として本領を発揮し始める頃から、その強さと美しさに目も心も釘付けとなる。日本の時代劇で言うところの殺陣が華麗すぎる。かつて見て違和感を覚えた筋肉の発達したお姿は、この為だったのねと合点がいった。もともと時代劇の殺陣が好きで、映画「るろうに剣心」で佐藤健扮する剣心が袴を翻し、目にも留まらぬ速さで剣を振る姿に惚れ惚れしたものだが、このドラマでは鎧をつけたまま身軽に華麗に戦っている。その鎧がまた美しい。日本の時代劇では鎧の下にほぼほぼガニ股の足が出ているが、韓国時代劇の鎧姿は違うようだ。他の韓国時代劇はまだ見たことがないが、少なくともこの太王四神記の鎧の衣装と、それに身を包む太子タムドクの姿は美しすぎてうっとりする。

 このドラマの見所は、そんな王としてのサクセスストーリーとともに描かれる二千年の時を超えるラブストーリーだ。神話時代に神の子ファヌンを愛した二人の女性が姉妹として生まれ変わり、再びタムドクを愛する女性たちとして登場する。その愛の行方からも目が離せない。神の子の転生とは言え、この世では一人の人間である。その王が最終話で、一人の女性に愛を告げ抱きしめるシーンは、羨ましすぎて、美しすぎて涙が止まらない。

 そんなこんなで、第六感が見ろと命じたこのドラマは、何もかもに於いて理想的な王様像、男性像を、私に見せてくれたのだった。

ーつづくー